日本財団 図書館


 

しかし最近では、日本料理の調理法を身に付けている者も多く、内容の不満は減っているようです。
そして、衛生についても、整理整頓とよく洗浄することが身に付いてよくなっています。
それは、日本の会社が教育したり、現地のマンニング会社も日本食の調理のできる人の採用を進めているからでしよう。
しかし、まだ健康と食事の関係や食料品の在庫管理は苦手のようです。
彼らには、食事の量が大量で、太るほど食べるのはよいことだと考える風潮があるようです。
従って、栄養のバランスよりもカロリーがあって蛋白が多いことが献立の基本になっています。
料理は単純で、肉、鯖などの魚のオイル焼きやシチュウ風の煮込みで、在庫管理は、いも、玉ねぎ、肉、冷凍魚など簡単なものですが、日本人だけに和風料理を用意するので、和風の複雑な在庫管理は難しくなります。
日本食の在庫管理を短期間で身に付けるのは困難なようで、一定期間のメニューサイクルを作ってやるとか、棚卸しをして消費し尽くしてしまうなど、日本人船員の援助が必要なのではないでしょうか。
それには、舶用品管理責任者が食料まで目を通すことが必要な場合もあるようです。
ただしこのときに、司厨員の経験、それまでの実績などを踏まえて、必要に応じて行う必要があります。
日本人船員がすべてを管理してしまうと、隷属的と取られてしまいますし、逆に任せきってしまって、トラブルが起こっても、気まずくなってしまいます。
やはり、われわれも彼らも、お互いの違いと、それを越える理解の深まりの中で、少しずつよい点を取り入れられるようにする環境作りが大切でしょう。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION